長崎発！賢い資金調達で会社を強くする｜中小企業診断士　国仙悟志

融資を“つなぎ”ではなく“経営の武器”に,補助金に頼ると危うい理由

中小企業の経営者から「補助金は使えないの？」と相談されることがあります。
確かに、補助金は魅力的に見えるかもしれません。
しかし、申請には時間と労力がかかり、採択されるかどうかも不透明。
そして入金までには数か月以上を要することが多く、
実際の資金繰りにはあまり役立たない場合も少なくありません。

むしろ補助金に依存すると、「自分の会社の力で稼ぐ」視点が薄れ、
自立した経営を妨げることにもつながります。
会社を強くするためには、
補助金ではなく融資とキャッシュフロー管理を正しく活用することが大切です。

銀行融資は会社の通信簿

経営者の中には「借金は悪いこと」と思い込んでいる方もいます。
しかし、銀行融資は単なるお金の貸し借りではありません。
銀行は融資審査を通じて、あなたの会社の信用力を「通信簿」のように評価しています。

融資が受けられる＝会社に一定の信用がある証

返済を続ける＝銀行からの信頼がさらに強まる

つまり、融資を上手に活用することは、
会社の成長のパスポートを手にすることでもあるのです。

長崎の中小企業が使いやすい制度融資

長崎県や地元の商工会議所、日本政策金融公庫などは、
中小企業向けの融資制度を多数用意しています。
代表的なのが「小規模事業者経営改善資金融資（マル経融資）」です。

担保・保証人不要

低利で長期返済可能

商工会議所の推薦により利用可能

こうした融資は、日常の資金繰りや設備投資を安定的に支える有力な手段です。
重要なのは、借りた後にどう活かすか。
短期のつなぎではなく、
返済計画とキャッシュフロー管理をセットにして使うことが欠かせません。

融資を“経営の武器”に変える方法

融資は「返済義務がある」からこそ、会社を健全に強くします。
以下のポイントを押さえておくと、
融資は単なる資金調達から「経営の武器」に変わります。

資金繰り表を作る
借入金が入った後、毎月どのくらいの支払いがあるのかを明確にする。

投資の優先順位を決める
借りた資金を「売上アップや利益改善につながるもの」に使う。

金融機関と定期的に対話する
決算書を見せて相談することで、次の融資や条件改善につながる。

返済可能性を常に検証する
営業利益とキャッシュフローを基準に、無理のない返済計画を立てる。

実際のケース

諫早市内のある飲食業の経営者は、開業当初から補助金に頼ろうとしていました。
しかし申請に時間を取られるうちに、肝心の経営改善が後回しになっていました。
そこで融資を活用し、資金繰り表を作り直した結果、
計画的に仕入と人件費をコントロールできるようになりました。
今では「補助金に頼らず、自分の力で売上を伸ばす」意識が芽生え、
黒字経営へと転換しています。