諫早から届ける現場支援のかたち
はじめに
長崎県諫早市を中心に、
中小企業の「課題の言語化」と「現場で実行できる改善設計」を専門に支援しています。
昨日は、旧友である弁護士の先生からのご依頼も頂き、
あらためて“専門性とは、
人と地域に役立つ形で届けてこそ意味がある”という原点を感じました。
本記事では、経営コンサルティングの現場で蓄積してきた知見から、
改善が前に進む会社に共通するプロセスを専門的な視点で整理してお伝えします。
1. 課題は「声にしにくい部分」に構造的に潜む
診断士として現場に入ると、課題は表面的な数字の上下ではなく、
意思決定プロセスの詰まりとして現れることが多いと感じます。
特に中小企業では、以下の“構造的な課題”が繰り返し見られます:
- 役割と責任の境界が曖昧で、判断が属人化している
- KPI が存在しても、現場の動きと結びついていない
- 社長の構想が言語化されず、社員に伝わっていない
こうした課題は、会議の議事録ではなく、
5分の対話・現場の動線・社員の表情に現れます。
専門家としては、その“小さなサイン”を構造として読み解き、
経営のどこに負荷がかかっているのかを特定することが重要です。
2. 改善が進む会社は「プロセスの見える化」が上手い
うまくいっている会社には、専門家として見たときに共通する“改善の型”があります。
▶ ① 現状把握は、感覚ではなく “プロセス単位” で行う
売上・利益ではなく、 – 営業プロセス – 業務フロー – 意思決定の手順 など、流れを一つひとつ分解して把握します。
▶ ② 課題の優先順位づけを“経営インパクト × 実行容易性”で判断
どれだけ正しい改善案でも、実行負荷が高ければ進みません。
中小企業こそ、最小の打ち手で最大の効果を狙います。
▶ ③ 定例化しすぎない、軽量な振り返りの導入
毎週・毎月の重い会議ではなく、
10分のショートレビュー
1テーマだけの作戦会議 など、
“軽く回せて続けられる仕組み”をつくると改善が定着します。
3. 諫早で大切にしたい経営のスタイル
諫早・長崎には、「急がない文化」「相手を大事にする文化」が根付いています。
だからこそ、経営においても次の価値観がとても相性が良いと感じています。
この地域性を活かしながら経営を整えることこそ、
結果として安定した企業づくりにつながります。
4. ミニ事例:実名なしで紹介する“改善が動いた瞬間”
ここでは、諫早市内の企業で実際に支援したケースを、実名を伏せて紹介します。
▶ 事例A:製造業(従業員15名)
課題: 作業の遅延が慢性化し、残業が増え続けていた。
アプローチ: – 現場で「実際の動き」を20分だけ観察 – 作業フローを2工程に再整理 – 役割の重複を1つだけ解消
結果: 1か月で平均残業時間が約2割減少。現場のストレスが軽くなり、売上よりも“働きやすさ”が改善の主効果として現れた。
▶ 事例B:サービス業(従業員8名)
課題: 社長とスタッフ間で、指示の解釈違いが頻発しクレームが増えていた。
アプローチ: – 社長の頭の中にある「接客の基準」を5項目に要約 – 朝礼で“1日1項目の共有”に変更 – トラブル時は10分だけの振り返りを仕組み化
結果: 2か月でクレーム件数がほぼゼロに。スタッフの迷いが減り、表情が明るくなったことでサービス品質が安定した。
▶ 事例C:小売業(家族経営)
課題: 家族間での意思疎通が難しく、施策が進まない。
アプローチ: – 家族3名で「月1回10分の共有タイム」を設定 – 決め事は“紙1枚”のフォーマットに統一
結果: 売上が急増したわけではないが、店の空気が柔らかくなり、常連客からの買い上げ点数が自然と増加。
これらに共通するのは、大きな改革ではなく“1つのプロセスを整えるだけ”で現場が変わるという点です。
おわりに
経営は“派手さ”ではなく、“整える力”です。
何か大きなことをする必要はなく、
今日できる小さな一手を積み重ねるだけで未来は変わっていきます。
もし今、言葉にしづらい違和感や、なんとなく気になっていることがあれば、
気軽にご相談ください。
諫早の地で、経営者の皆さまに寄り添う存在であり続けられれば幸いです。



