数字の見方が変わる→数字が味方になる！｜中小企業診断士　国仙悟志

「数字は苦手…」という声が本当に多い

長崎の中小企業経営者とお話ししていると、よくこんな声を耳にします。

「決算書をもらっても、正直よくわからない」

「試算表を税理士から渡されても机の引き出しにしまったまま」

「数字を見ようとすると頭が痛くなる」

実は、経営者の多くが同じ悩みを抱えています。
数字が苦手だからといって経営ができないわけではありません。
ただし、数字から目を背け続けると、会社の状態を誤解し、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

数字を見るのは「お医者さんの診察」と同じ

会社にとって数字を見ることは、人間にとって健康診断を受けることと同じです。
血圧や血糖値を測ることで体の異常が早めにわかるように、
財務指標を見ることで会社の「不調サイン」が見えてきます。

逆に言えば、数字を定期的にチェックすれば、会社の経営改善ポイントは必ず見えてきます

財務5本ノックとは？

ブルームプランが提案する「財務5本ノック」とは、経営者が最低限押さえておきたい 5つの指標をシンプルに解説し、自社の健康状態を短時間で把握できるようにする方法です。

◯自己資本比率

会社の「体力」を示す指標。自己資本が厚い会社は、多少の赤字が出ても倒れにくい。

◯営業利益率

本業のもうけ具合を示す数字。「売上はあるのに利益が残らない…」という問題が浮き彫りになります。

◯流動比率

短期的な支払い能力を表す指標。100％を切ると資金ショートの危険信号。

◯在庫回転率

在庫がどのくらいのスピードで現金化されているかを測定。在庫が滞留するとキャッシュフローを圧迫します。

◯借入金返済比率

営業利益に対して返済がどのくらい重いかをチェック。返済負担が大きすぎると成長投資ができなくなります。

この「5本」をノック形式で確認することで、経営者は数字の専門家でなくても、自社の財務体質を直感的に理解できます。

実際の現場での効果

ある長崎市内の製造業の経営者は、これまで決算書をほとんど見ていませんでした。
しかし、財務5本ノックを体験したところ、営業利益率が極端に低いことに気づきました。
理由を追究すると「外注費が高騰しているのに販売価格に転嫁できていなかった」ことが判明。
早速、取引先との交渉に動いた結果、数か月後には利益率が改善し、キャッシュフローも安定しました。

「数字が見える化すると、行動が変わる」――これが財務5本ノックの最大の効果です。